日本・海外のフュージョンギタリストを聴いてみる
今回は日本・海外の代表的なフュージョンギタリストを紹介する。彼らは自身でバンドを率いたり、ミュージシャンやアイドルのサポートをしながら腕を磨いてきた。主に70・80年代のフュージョンシーンを中心に活躍し、大半が還暦を越えた今でも活動を続けている。
日本のフュージョンギタリスト
渡辺香津美
80年代のフュージョンギターの代表的存在で、YMOのサポートギタリストとしても知られている渡辺香津美の代表曲。1980年リリースのアルバム「トチカ」に収録されている。
特徴 | ジャズとロックを基調とした超絶技巧のギタープレイ。 |
使用ギター | 初期:ギブソンレスポールスペシャル 現在:コリングス |
影響を受けたミュージシャン | ベンチャーズ、中牟礼貞則 |
高中正義
サディスティックミカバンドのギタリストで、松任谷由実などの数々のアーティストと共演していた。1980年リリースのアルバム「JOLLY JIVE」に収録されている「BLUE LAGOON」は当時のトロピカルブームを代表する楽曲となった。
特徴 | ロックとブルースを基調としたメロディアスなギタープレイ。 |
使用ギター | ヤマハSG、オールドストラトキャスター |
影響を受けたミュージシャン | グランド・ファンク・レイルロード、ジミ・ヘンドリックス |
安藤まさひろ
T-SQUAREのリーダーで、ソロでも活動している。この曲はプレイステーション「グランツーリスモ」やJリーグのコンサドーレ札幌のテーマ曲として使用されている。2021年を最後にT-SQUAREを引退することが決まった。
特徴 | ロックとブルースを基調とした静と動を兼ね備えたギタープレイ。 |
使用ギター | フェンダー・ストラトキャスター 1961(サンバースト) |
影響を受けたミュージシャン | ビートルズ、マイルスデイヴィス |
野呂一生
結成以来カシオペアのリーダーである野呂一生のソロアルバム「TOP SECRET」のタイトル曲。
特徴 | ジャズを基調とした速弾き超絶技巧。 |
使用ギター | ヤマハ IN-DX、ヤマハ SG-Mellow、ヤマハ CPX15EA |
影響を受けたミュージシャン | ジョーパス、渡辺貞夫 |
松原正樹
元パラシュートのギタリスト。松原みきや松任谷由実などのサポートギタリストとして有名である。代表曲「SNIPER」はプロレスラー小橋建太の入場テーマである。2016年2月、61歳で亡くなった。
特徴 | ブルースを基調としたメロディアスなギタープレイ。 |
使用ギター | GIBSON ES-335 58年、MD MM-Produce G1、TACOMA DR20 |
影響を受けたミュージシャン | 大村憲司、スティービーワンダー、ダニーハサウェイ |
今剛
松原正樹と同じく、元パラシュートのギタリスト。「AGATHA」は彼の代表曲。
特徴 | ロックを基調としたメロディアスなギタープレイ。マンドリンも演奏する。 |
使用ギター | Providence sD-102RVS |
影響を受けたミュージシャン | ベンチャーズ |
鳥山雄司
ギタリストでもあり、アレンジャーである。この曲はTBS番組「世界遺産」のテーマ曲。
特徴 | ロック、ジャズ・フュージョン、クラシックなどなんでもこなす。初期は派手なギタープレイがメインだったが、アコースティックギターの演奏も目立ってきた。 |
使用ギター | James Tyler Studio Elite #2 1993’、Fender Stratocaster 1975、Gibson Les Paul Delux 1976など多数。 |
影響を受けたミュージシャン | ? |
春畑道哉
DRIVIN’
「TUBE(チューブ)」のギタリスト。Jリーグ公式テーマソング「J’s THEME」や野球中継のテーマソング「Jaguar」で有名。
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特徴 | ハードロックを基調としたダイナミックでメロディアスなギタープレイ。 |
使用ギター | Fender STRATOCASTER |
影響を受けたミュージシャン | ? |
大村健司
When a Man Loves a Woman
フォークグループ「赤い鳥」にも参加していたギタリスト。1998年に亡くなった後も、若い世代のミュージシャンからフォロワーが絶えない。この曲は60年代ソウルシンガーのパーシースレッジの代表曲で、ジャズギタリストのウェスモンゴメリーもこの曲をカバーしている。
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特徴 | ブルースやジャズを基調としたプレイ |
使用ギター | Fender STRATOCASTER |
影響を受けたミュージシャン | エリッククラプトン、B.Bキング、ウェスモンゴメリー |
川崎燎
Lucky Lady
川崎燎は主にニューヨークを拠点に活躍していた国際的ミュージシャンで、様々な有名ミュージシャンと共演をしていた。晩年はエストニアでも活動していた。また、彼は電子工学に精通しており、音楽ソフトやギターシンセサイザーの開発にも携わっていた。2020年4月、エストニアのタリンで亡くなった。
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特徴 | ブルースやジャズ、クラシカル、スパニッシュ、ブラジリアンなど様々なジャンルを融合させたギタープレイ。 |
使用ギター | GIBSON ES-335 TD,YAMAHA SA-2000 |
影響を受けたミュージシャン | ケニーバレル、ウェスモンゴメリー、ジョンコルトレーン、マイルスデイヴィス |
和田アキラ
今回はフュージョンギタリストの和田アキラを紹介する。1980年代に松岡直也のグループでレコーディングやライブをこなしていた。1977年に1stアルバム「プリズム」でデビュー以来、現在まで40年余り活動を続けていたが、2021年3月28日に敗血症により64歳で他界した。
特徴 | ハードロックやフュージョンに影響を受けた超絶技巧のギタープレイ |
使用ギター | ヤマハSF-7000(デビュー当時)、 |
影響を受けたミュージシャン | 松木恒秀、グランド・ファンク・レイルロード、レッド・ツェッペリン、サンタナ、アルディメオラ |
海外のフュージョンギタリスト
ジョージベンソン(George Benson)
今回はフュージョンギタリストのジョージベンソンを紹介する。60年代にジャズギタリストとしてキャリアをスタートさせた彼は、CTIのクリードテイラーとともにアルバムをヒットさせる。76年には、トニー・リピューマのプロデュースにより、「Breezin’」が大ヒットする。
ジェイグレイドン(Jay-Graydon)
今回はAORバンドのエアプレイで活躍したフュージョンギタリストのジェイグレイドンを紹介する。ジェイグレイドンは、スティーリーダンの「ペグ」のギタリストとして知られていて、アース&ウィンド・ファイアーの「After The Love Has Gone」の作曲者の一人として知られている。
ハイラム・ブロック(Hiram Bullock)
今回はフュージョンギタリストのハイラムブロックを紹介する。70年代後半に「24丁目バンド」を結成して日本で人気を博した。ボブジェームスやデイヴィッドサンボーンなどのレコーディングに参加する一方で、定期的にリーダー作もリリースしていた。しかし、2008年に舌ガンによって他界した。
ラリーカールトン(Larry Carlton)
今回はフュージョンギタリストのラリーカールトンを紹介する。クルセイダーズのギタリストとして活躍し、1978年にアルバム「Room335」でソロデビューを果たした。しかし、1988年に銃撃によって一時音楽生命を危ぶまれたが、翌年に「On Solid Ground」でカムバックした。
ラリーコリエル
今回はフュージョンギタリストのラリーコリエルを紹介する。1960年代後半に、ロックギターの奏法をジャズの分野に導入し、フュージョンの先駆的存在となった。定期的にリーダー作をリリースする一方、チャールス・ミンガスや渡辺香津美のレコーディングにも参加している。
ジョンマクラフリン(John MacLaughlin)
今回はフュージョンギタリストのジョンマクラフリンを紹介する。1960年代後半からマイルスデイヴィスのグループに所属して、「In a Silent Way」や「Bitches Brew」のレコーディングに参加した。また、マハヴィシュヌ・オーケストラを結成し、「火の鳥」などの傑作がある。
アル・ディメオラ
コーネルデュプリー
今回はフュージョンギタリストのコーネルデュプリーを紹介する。20歳の時にキングカーティスに見いだされて、キングピンズに加入、後に様々なアーティストにセッションギタリストとして参加。スタッフのメンバーとしても知られており、それと並行してソロアルバムもリリースしていた。2011年に他界。
リーリトナー
今回はフュージョンギタリストのリーリトナーを紹介する。1977年の「キャプテンフィンガース」で大いに注目され、1981年に「RIT」でAORを取り入れた。1990年にはフォープレイのメンバーとして、1997年まで活動していた。1990年からはジャズギターをプレイした作品が多い。
アールクルー
今回はフュージョンギタリストのアールクルーを紹介する。フュージョンの中でもいち早くアコースティックギターをプレイしていた先駆的存在で、スムースジャズの礎を築いた一人でもある。1975年にデイブグルージンのプロデュースでデビュー以後、半世紀近くにわたって独自のスタイルを貫いている。