フュージョンバンド・ウェザーリポートを聴いてみる
今回はフュージョンバンドのウェザーリポートを紹介する。
アコースティックからエレクトリックへ。
1971年、キャノンボールアダレイのグループを脱退したジョーザヴィヌルは、前年にリリースしたアルバム「ザヴィヌル」の音楽をもっと発展させたいと思い立ち、かつてメイナードファーガソンのグループで一緒だったサックスプレイヤーのウェインショーターやベーシストのミロスラフ・ヴィトウスらとともにウェザーリポートを結成した。
1stアルバムの「ウェザーリポート」は従来のジャズと同様に、アコースティック楽器がメインだった。2ndアルバムは打って変わって、ザヴィヌルがシンセサイザーを使い始め、4thアルバム「スウィートナイター」ではヴィトウスがエレクトリックベースを使うようになり、エレクトリック路線へと舵を切った。
1974年の5thアルバム「ミステリアス・トラヴェラー」からは、ベーシストがアルフォンソジョンソンに交代し、1976年の7thアルバム「ブラックマーケット」の途中でジャコパストリアスに交代した。両者とも、卓越したテクニックでウェザーリポートのグルーブに貢献した。
ドラムは長年固定メンバーが存在しなかったが、1979年にピーターアースキンが参加、彼は1982年に脱退したが、そのあとをオマーハキムが引き継いで解散までウェザーリポートを支えた。
数多くの名曲も残してきた。最初に取り上げるのは8thアルバム「ヘヴィーウェザー」の「バードランド」だろう。キャッチ―なメロディーがフュージョンを毛嫌いしているジャズファンやポップスのリスナーにも支持された。後にコーラスグループのマンハッタントランスファーにもカバーされた。また、同アルバムに収録されている「ティーンタウン」は、ジャコパストリアスの代表曲で、ウネウネとしたベースラインが特徴的で、マーカミラーなどのミュージシャンによってカバーされている。
1982年にジャコが脱退して以降、フュージョン人気が下火になっていたのもあり、ポップ路線に変更したが、ザヴィヌルとショーターはバンドを解散して新たな道に進みことになった。