UK  史上最大にして短命のプログレッシブロックバンド

 

今回はUKについて紹介。

 

UKの経歴

 

UKは1977年、元キングクリムゾンのジョン・ウェットンとビル・ブルーフォード、アラン・ホールズワース、元ロキシーミュージックのエディージョブソンの四人で結成された。

このバンドの特徴はプログレッシブロックとフュージョンを融合させたことにある。しかし、この違和感はファーストアルバムの「UK(憂国の騎士)」の収録の時から出始めていた。


1978年に彼らは「憂国の騎士」をリリース後、音楽性の違いからアラン・ホールズワースは解雇、ビル・ブルーフォードは脱退する。後に二人はフュージョンバンド「ブルーフォード」を結成する。

一方、残ったメンバーは、フランクザッパのマザーズオブインベイジョンのテリーボジオを誘ってキーボードトリオとして活動、1979年にセカンドアルバム「デンジャーマネー」をリリースする。来日ツアーを開催するもエディが暴走気味になり、バンドは翌年空中分解する。

 

 

バンドメンバー

ジョンウェットン(Vo/B)

 

キングクリムゾン「Red」

 

 

ユーライアヒープ 「Easy Livin’ – Live in USA 1975」

 

ベーシストとして、キングクリムゾンやユーライアヒープ、ウィッシュボーンアッシュなど、有名バンドを渡り歩いていた。「UK」では渋い歌声で歌唱力をいかんなく発揮している。

残念ながらすでに故人である。

 

アランホールズワース(G)

 

トニーウィリアムズ ライフタイム 「Proto-Cosmos」 

 

アランホールズワース 「Looking Glass」 

 

フュージョンの分野で活躍した、ちょっと草刈正雄っぽいハンサムなギタリストである。

70年代はコロシアムやソフトマシーン、トニーウィリアムズライフタイム、ゴングなどを一年刻みで渡り歩いていた。しかし、当時の知名度はあまりなく経済的に困窮していたそうだが、エディヴァンヘイレンの助けでアルバム「Road Game」をリリース。一躍有名な存在になった。

残念ながらすでに故人のため、ギタープレイは音源やライブでしか聴くことができない。

 

ビルブルーフォード (Dr)

 

YES 「Survival」

 

キングクリムゾン 「太陽と戦慄パート1」 

 

「キングクリムゾン」、「イエス」など多くのバンドに参加してきた実力派のドラマー。

現在、ライブ活動は引退してレコーディングに専念しているそうだ。

 

エディージョブソン(Key)

 

ロキシーミュージック「Love Is The Drug」 

 

イエス「Owner of a Lonely Heart」

 

エレクトリックバイオリンソロ 

90年代のUK再結成の話が持ち上がっていたのにジョンウェットンと大喧嘩してふいにしてしまったり、トレヴァーホーンとの関係悪化でイエスを飛び出したトニーケイを呼び戻そうとしたので、「キーボードは二人もいらない」と「ロンリーハート」でブレイク中のイエスを飛び出したりと、自らの信念を曲げないかなり癖の強いお方である。

「ロンリーハート」のミュージックビデオにはジョブソンの姿がある。

 

テリーボジオ(Dr)

 

ブレッカーブラザーズ「Some Skunk Funk (Live Album HQ)」 

「Psychic Energy」 

 

「大要塞」と形容されるドラムセットで静・動を併せ持ったドラムプレイを披露している。

また、彼はフュージョンバンドのブレッカ―ブラザーズのアルバム「ヘヴィメタルバップ」にも参加している。

 

 

 

 

 

代表作

 

どのアルバムも秀作だが、当時のパンクロックムーブメントに圧されてセールスもあまり芳しくなかったようだ。

「In the dead of the night」 

 

「Danger Money」

 

 

 

「UK(憂国の騎士)」フルバージョン

 

 最初にファーストアルバム「憂国の騎士」を聴いた時はいろんな意味で違和感しか感じられず、メンバーそれぞれがいいプレイをしているのにいつまでたっても歯車がかみ合わないような印象があった。

「俺はこっちへ行きたい」「いや俺はそっちだ」と互いに主張が強すぎるあまり、フュージョンのような音楽が顔を覗かせたかと思うと、プログレッシブロックへと引き戻されていく。聴いていてとてもユニークだし、面白いアルバムなのだが、今にも演奏が破綻するのではないかという異様な緊張感をはらんでいた。

みんなが主役のため、誰かがわき役に徹することができない。

それがスーパーバンドたらしめていると同時にUKが短命に終わってしまった所以でもある。

 

 

その後

 

エイジア 「Only Time Will Tell」 

結局最後まで歯車はかみ合うことなくUKは解散してしまったものの、その世界観は1982年に結成されたスーパーバンドの「エイジア」へと引き継がれていくことになる。ファーストアルバム「詠時感」は全世界で1500万枚のヒットを記録し、伝説のバンドとなった。

UK自体は不本意な結果になってしまったが、彼らの今後の活躍を見てみるとバンドが短命に終わったことは逆に良かったのではないかと考える。

 

補足

後から知ったのだが実はUKは再結成されていた。

解散から30年近くたった2007年にエディ―ジョブソンを中心にUKのコンセプトを受け継いだ「UKZ」を結成した。そして2011年にはウェットンとともに再結成を果たし、2015年まで活動していた。しかし、2017年にジョンウェットンとアランホールズワースが相次いで亡くなったため、バンドの存続が消滅となった。

やはり歳月には勝てないか(~_~;)

 

 

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