渋谷系バンドのオリジナルラヴのアルバム「風の歌を聴け」を聴いてみる。


Ivan_zによるPixabayからの画像


こんちわ、NULLです(^^♪
今回はオリジナルラヴが1994年にリリースしたアルバム「風の歌を聴け」を紹介。(明らかにあの作家のデビュー作からインスピレーションを受けただろうな。)
オリコン週間チャートの1994年7月11日付けで一位を記録した、渋谷系の名盤。
しかし、かつての「LOVE,LOVE,LOVE‼」や「結晶」に見られた渋谷系の影響からは脱して新たな日本のR&Bの形を創り出した、そんな感じがするのである。
主役は泥臭いR&B。しかし、リズムといい、その枠にはまらないほど分類が困難な、雑多なジャンルが交差しているのが分かる。
ちなみにあのピンボケジャケットの撮影はシカゴで行われたそう。
しかし、それは後になって分かったことで、アフリカのサバンナで撮ったと言われればそのまま信じてしまいそうなくらいライオンキング要素満載のアルバムである。

「The Rover」はあのクルマをイメージしたのだろうか。サバンナを進む四輪駆動のローバー。ド派手なホーンセクションは70年代のファンクを彷彿とさせる。(ローバーは元々イギリスの会社なのである。4WDの「ランドローバー」は一側面であって、かつては王室や高級官僚が乗る自動車を生産していた。)



「It’s a Wonderful World」はソウルシンガーのカーティス・メイフィールドをイメージして作られたとか。全曲にわたって田島は裏声で歌いあげている。
「フィエスタ」は「生死」と「喜怒哀楽」がテーマにした楽曲。
陽気さと幸福さに満ち溢れた土着的な世界観がワールドミュージックそのものだと言ってもいいかも。
田島貴男の人柄が良く表れていると思う。
こんな壮大な歌が歌えるのは他にBOOMの宮沢和史くらいかもしれない。(ほぼ同時期にワールドミュージックをテーマにした「極東サンバ」がリリースされたのは何かの偶然だろうか?)
「二つの手のように」はフュージョンファンならエレピのイントロだけで何杯も飯が食えるくらいの傑作。そして盛り上がる展開かと思いきや、ボサノヴァのリズムでいい意味で裏切ってくれるのである。
「心 ANGEL HEART」は必聴。
バラードとは言え日本の湿っぽいバラ―ドとは違う。
彼の歌は常に乾ききっている。
「泣ける」だけにとどまらない様々な感情をこの歌はもたらしてくれる。
「朝日の当たる道」は彼の渋谷系要素が表れている曲。しかし、この歌の歌詞を読んでいると「結晶」や「EYES」に見られたラブソングと違ってすっかり落ち着いてしまった雰囲気がある。そしてどことなく彼の歯切れのよい歌いぶりが、未来に対する決意を秘めているように感じるのだ。(前作の「砂の花」の世界観を思わせるが少し違う。)
解説はここまで。後は自分の耳で聴いてみてほしい。

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