フュージョンギタリストのリー・リトナーを聴いてみる
今回はフュージョンギタリストのリーリトナーを紹介する。
「キャプテンフィンガーズ」がビルボード200にチャートイン
1976年に「ファーストコース」でデビューしたリーは、翌年の「キャプテンフィンガーズ」でビルボード200にチャートインしたことで注目される。
1981年の「RIT」以来、爽やかなシンセサイザーサウンドだらけに
1981年にアルバム「RIT」をリリース、AORを取り入れ、ボーカルに歌わせて当時のトレンドに乗ったアルバムは、ビルボード・ポップ・アルバム・チャートに26位になった。「Is it you?」はAORとフュージョンの良いとこどりをした曲で、今でもAORとフュージョンのコンピレーションアルバムには必ずと言ってもいいほど収録されている名曲である。
これに気を良くしたのか、80年代のアルバムはシンセサイザーを前面に出したポップなサウンドを展開する。
1986年のアルバム「Earth Run」。M1「Soaring」はもはやシンセサイザーが主役なのかギターが主役なのか分からない。ちなみにジャケットでリーが持っている変わった形のギターは、かつてイギリスで量産されていたシンタックスというギターシンセサイザーである。彼のギターが妙にスペイシーなのはそのシンタックスを使用していたからである。(今は生産終了しており、現存数も限られているので入手しずらい。シンタックスの使い手としては、アラン・ホールズワース、パット・メセニー、ゲイリー・ムーア、アル・ディ・メオラなどがいる。)
1990年代になると一転してジャズ
1990年代になると憑き物が落ちたかのように、派手なシンセサイザーサウンドが消え失せて、今までジャズギタリストでしたってすまし顔で渋いフレーズを弾いている。
上のアルバム「Wes Bound」は今は亡きジャズギタリストのウェス・モンゴメリーに捧げたアルバムである。M5「Waiting in Vain」は、「踊る大捜査線」のエンディングテーマ「ラブ・サムバディ」の英語版を歌っていた、マキシプリーストがボーカルである。